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2014年1月31日金曜日

音楽 : Michael Mantler (Feat. Robert Wyatt, Chris Spedding etc)/ Silence


3L-01937 - Michael Mantler (Feat. Robert Wyatt, Chris Spedding etc)/ Silence (Rare UK, Mat-1)

*** LP : UK / 76 / WATT (Virgin)

マトリクス【A1 // B1】

PATENT NO.入り黒インナーバッグ付属(1辺に8cmほどの破れあり)と歌詞カードを付属。
USA盤やドイツ盤はよく見かけますが、UK盤はレアです。

英国のノーベル賞戯曲家ハロルド・ピンターの詩をカーラ・ブレイ、ロバート・ワイアット、ケヴィン・コインが歌い、クリス・スペディングがギターで参加したマイケル・マントラーの77年作です。
一応記しておきますと、オーストリア出身の前衛ジャズ・トランペッターで作曲家のマイケル・マントラーは60年代初頭に渡米、才女カーラ・ブレイと結婚して米国フリー・ジャズの重要バンドであるジャズ・コンポーザーズ・オーケストラなどで活躍していました。
マイケル・マントラーは有名な妻のカーラ・ブレイの陰に隠れがちですが、本作にも参加しているロバート・ワイアットを始めとするカンタベリー方面やクリス・スペッディングといったロック畑のアーティスト達との競演を重ねている異才です。
マイケル・マントラー名義ですが楽曲を提供するだけで、プロデュースまで当時の妻であったカーラ・ブレイに譲っています。
マイケル・マントラーには本作同様ロバート・ワイアットとクリス・スペッディングを起用した名盤『The Hapless Child』もありますね。
『The Hapless Child』との決定的な違いは、本作は戯曲をベースにしているところです。
ロバート・ワイアット、ケヴィン・コインという英国を代表する個性派シンガーとヘタウマなカーラ・ブレイが役に準じて歌い分けたり、ハモったりしています。
そこに絡みつくクリス・スペディングのギターが秀逸!
クレジットをご参照頂ければお分かりの通り極めてシンプルな編成なので、ジャージーなクリス・スペディングのギターも思い切り堪能いただけます。

【クレジット】
Bass Guitar, Acoustic Bass - Ron McClure
Cello - Clare Maher
Guitar - Chris Spedding
Voice - Kevin Coyne
Voice, Percussion - Robert Wyatt
Voice, Piano, Organ - Carla Bley
Composed By - Michael Mantler
Words By - Harold Pinter

【収録曲】
A1 I Walk With My Girl 9:41
A2 I Watch The Clouds 9:23
A3 It Is Curiously Hot 4:42
A4 When I Run 2:04
B1 Sometimes I See People 4:10
B2 Around Me Sits The Night 4:15
B3 She Was Looking Down 3:24
B4 For Instance 2:55
B5 A Long Way 1:51
B6 After My Work Each Day 2:44
B7 On Good Evenings 7:10

音楽 : Carla Bley Band (Feat. Elton Dean & Hugh Hopper) / European Tour 1977


3L-01936 - Carla Bley Band (Feat. Elton Dean & Hugh Hopper) / European Tour 1977 (Rare Germany WATT Original) - Sold Out

*** LP : W.Germany / 78 / WATT / 8 ***

マトリクス【A1 // B1】。

エルトン・ディーンとヒュー・ホッパー、おまけにNRBQのテリー・アダムスまで参加したカーラ・ブレイ・バンドの77年の大傑作です。
本作はタイトルから「ライブ盤」として紹介しているレビューを見かけますが、ツアー中の77年9月にミュンヘンのスタジオで録音されています(裏ジャケットに明記されています)。
80年以前のカーラ・ブレイは欧州での人気の方が高かったようで、本作の録音はドイツだし、ジャケットがコーティングのドイツ盤をオリジナルとする人もいます。
本作のやっかいなところは、カーラ・ブレイは知名度のわりにはセールスがともなわず、おまけにジャズ専門店でも「ストレート・ジャズ」「フリー・ジャズ」「ビッグ・バンド」など店によって置いてあるコーナーが違うし、更にエルトン・ディーンとヒュー・ホッパー参加なのでその手の店では「プログレ」にあったりと、ジャンル別け困難でなかなか見つからないアルバムということでしょう。
更に「WATT」レーベルの中で、最も入手が困難なアルバムというのが私の実感です。
さて、本題です。
カーラ・ブレイは60年代のフリー・ジャズの重要人物で、チャーリー・ヘイデンの歴史的傑作『Liberation Music Orchestra』(69年)にピアニスト兼アレンジャーとして参加したことで広く知られるようになりました。
当時の夫マイク・マントラーと「Watt」レーベルを立上げ、ジャズをベースにしつつもジャック・ブルースやロバート・ワイアットなどのロック・ミュージシャンも積極的に登用した意欲作を数多く残しています。
本作ですが……カーラ・ブレイのレコードはほとんど聴いてきたにもかかわらず今まで気付かなかったのですが、ソロ名義ではデビュー作だったんだわ。
よく「辛辣で嘲笑的なユーモア」とか「実験的かつポップ志向」などと評されますが、カーラ・ブレイは純粋に「自分のやりたいことをやってる」んちゃうんかな~?
出来不出来はあるけれどカーラ・ブレイのアルバムは単純に楽しいし、本作に参加している元ソフト・マシーンのエルトン・ディーン(as)とヒュー・ホッパー(b)、ゲイリー・ウィンド(ts)なんて一癖もある二癖もあるツワモノたちが、これほどノビノビと演奏しないと思うのよね。
とにかく本作を一言で言えば、『カーラ姉さんにひれ伏した一流ミュージシャンが頑張っているのだ!』ってとこかな?
A-1「Rose and Sad Song」(11:05)は「おいおいムード歌謡かよ」ってなイントロで始まるエロティックなラテン・テイストの前半から、後半の渋さ知らズがカスに思えるソロ回しに流れる自由気儘な演奏です。
A-2「Wrong Key Donkey」(7:47)は映画のオープニング・テーマのようなホーン・アンサンブルの後に、エルトン・ディーンがソフト・マシーン他でのアヴァンギャルドな演奏とは正反対の正統派ジャズ「泣きのソロ」を聴かせ、エルトン坊やに寄り添う「カーラ姉さん」のチープなエレピもタマランでっすん*^^* 個人的には本作のハイライトです!
B-1「Drinking Music」(4:18)は哀愁のキャバレー音楽でして、クルト・ワイルを思い出しちゃいました……そっか、本作が「ドイツ録音」を思い切り納得?
B-2「Spangled Banner Minor and Other Patriotic Songs」(19:17)は、嫌味なほどマイナーにアレンジした『星条旗よ永遠なれ』」に始まり、オリジナル曲や、ドイツやらフランスやらのナショナル・アンセム(国歌)をドシャメシャにメドレーで演奏しており、有名な『ウッドストック』でのジミヘンの演奏に引けをとらないってか、この曲のほうが素である分よっぽど毒気が強い! エルトン・ディーンやヒュー・ホッパーそしてゲイリー・ウィンドといった英国ミュージシャンも溌剌としています。大統領選挙に合わせてツアーをするようになった80年代のフランク・ザッパのライブ音源よりもよっぽど毒気とユーモアがあり、「世界遺産的名演」と断言します!
そっか、言い忘れてた……
我耽溺のヒュー・ホッパーですが、いつになく正統派ベーシストに徹しているんだが……例えばB-2「Spangled Banner Minor and Other Patriotic Songs」の終盤などで、我慢できずにエフェクトかけまくった変態ベース・プレイを披露しております。
ジャズやロックを飛び越えた、とんでもない名盤だと思います!!!
コーティング・ジャケットのドイツ・オリジナルです。

【参加ミュージシャン】
Carla Bley - organ, tenor saxophone
Michael Mantler - trumpet
Elton Dean - alto saxophone
Gary Windo - tenor saxophone
John Clark - french horn
Roswell Rudd - trombone  Bob Stewart ? tuba
Terry Adams - piano
Hugh Hopper - bass guitar, bass drum
Andrew Cyrille - drums

【収録曲】
A-1. "Rose and Sad Song" - 11:05
A-2. "Wrong Key Donkey" - 7:47
B-1. "Drinking Music" - 4:18
B-2. "Spangled Banner Minor and Other Patriotic Songs" - 19:17
All compositions by Carla Bley

Recorded at at Bavaria Musik Studios, Munich, Germany in September 1977.

2014年1月15日水曜日

音楽 : Bruce Cockburn / High Winds, White Sky


2L-05086 - Bruce Cockburn / High Winds, White Sky (Canada Early Press)

*** LP : Canada 1971 / True North / TN 3 ***

ブルース・コバーンの71年名作2nd「ハイ・ウインズ・ホワイト・スカイ(雪の世界)」。
カナダを代表するシンガー・ソングライター作品の金字塔.

冬の季節に部屋を暖かくしていっぱいやりながら針を落とせば、凛とした美しさと暖かさが同居したブルース・コバーンの世界に包み込まれます。

オリジナル・カナダTrue North盤初期仕様の見開きジャケット.

Happy Good Morning Blues - 2:39
Let Us Go Laughing - 5:20
Love Song - 2:26
One Day I Walk - 3:06
Golden Serpent Blues - 3:33
High Winds White Sky - 3:01
You Point to the Sky - 2:56
Life's Mistress - 3:24
Ting/the Cauldron - 6:30
Shining Mountain - 5:14
Totem Pole (Live) - 3:25
It's An Elephants World (Live) - 2:39

Bruce Cockburn - guitars and dulcimer
Eugene Martynec - guitar
Eric Nagler - mandolin-banjo and mandolin
Michael Craydon - marimba, tables, tree bell, boobams, Pygmy Rhythm Log
John Wyre - cymbals, gongs, salad bowls